くらし情報『朝井リョウが描いた“平成の生きづらさ” 伊坂幸太郎らの“螺旋プロジェクト”で』

2019年3月29日 18:40

朝井リョウが描いた“平成の生きづらさ” 伊坂幸太郎らの“螺旋プロジェクト”で

犯人の供述書や関連書を読んで感じたのは、どちらも“社会にとって自分は無価値である”という思いから起こした事件だということだったんです」

犯人らも自分も、どうして自分を無価値と考えてしまうのか。

「平成って、個人間の対立や争いごとをなくしていこうという試みが強かったと思うんです。学校でテストの順位を張り出さず、運動会で順位を決めず、ナンバーワンではなく自分らしいオンリーワンを目指そうという。でも自分らしさを探そうとすると、どうしても私は自分と人を比べることがやめられなかった。自分の価値を測るために“この部分はあいつより下だ”などと自分で自分をジャッジするしかなかった。そうすると小さい自己否定がちょっとずつ積もっていく。それは内側から腐っていく感覚だなと思ったんです」

その痛みを、二人の青年を軸に少しずつ描き出したのが本作だ。

「条件だけ抽出すれば、二人は立派な大学を出ているし貧困層でもなく友人もいる。何に悩んでいるのか分からない人も多いと思う。それは今の社会全体にも言えること。内側から腐る痛みを書くことによって、逆説的に平成で対立を書くことができるのではないかと思いました」

自分は雄介タイプ、と朝井さん。

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