2019年5月15日 18:30
ただの黙とうが国への反逆とみなされ…戦後を生きた学生の壮絶な実話
ナチス政権のあとにどんなふうに社会を再建していったのかということについても、深く洞察できる内容だと思ったんだ。
ただ、歴史的な物語をそのまま描くだけでは単なる歴史の授業のようになってしまい、映画にするまでもないよね?だからこそ、そこに人間的な価値観や言論の自由、さらには連帯することという普遍的なものをプラスして、タイムレスなものを目指したんだ。
監督が自らを投影したキャラクターとは?
―まさにその“普遍性”という部分がいまの観客にも響くところであり、「自分だったらどうするか?」と考えさせられました。監督も共感できるような自分に近いキャラクターなどもいたのでしょうか?
監督僕の分身と言えるのはテオ。実は、僕も17歳くらいのときに政治的な抗議活動に参加していたことがあるんだけど、その理由はそうすれば好きな女の子が僕に関心を持ってくれると思ったから(笑)。本当は政治には興味がないサッカー青年だったんだ。だから、劇中のエピソードには僕の体験から来ているところもあるんだよ。
自分だったらどうするかは、「彼らと同じように連帯感を持って立ち上がっただろう」と言うのは簡単だけど、やっぱり実際にその場にならないとわからないと思うよ。