2020年1月13日 21:00
スマホなしで“文通”の恋愛物語… 岩井俊二「最新作」の主題は?
クリアしていくものは同じだけど、出来上がる作品は違うんです。その気で観ると、登場人物の数だとか、ドタバタが起きたり、静かになるタイミングがよく似ていますから。でも、最近は、先に述べたように、とにかく、ドキュメンタリー作品のように素材をたくさん撮る。素材がたくさんあればあるほど、フォーミュラで悩まなくていいと思うようになりました。今作では描かれなかった小説の『未咲』も、その部分だけを切り取って、一つの映画にしてみたいですね。『ラストレター』とは違う青春物語が作れるだろうし、鏡史郎があそこまで一途に未咲に恋をした理由が、ようやく、わかると思います。
どんなに素晴らしい恋もいずれは変化するもの。
学校のヒロイン的な存在である未咲と、彼女に想いを寄せる鏡史郎(回想・神木隆之介)。
彼の文才を知った未咲は、この階段のシーンで、とある大事なお願いごとをする。
同じ部活に入った鏡史郎に、密かに片想いをしている裕里(回想・森七菜)。彼が姉の未咲に一目惚れしたことを知り、ラブレターを書いて想いを伝えることを提案する。
夫の勘違いと嫉妬によってスマホを壊されたことをきっかけに、手紙のやりとりを始めた裕里と鏡史郎。