2020年5月6日 20:10
不安な心がスッと整う…今お家で読みたい「本とその名言たち」 #35
そこには真実があるとあなたたちは言います。しかしたくさんの真実があり得るのです。問題は、どの道をいくべきか、ということではありません。もし一つの方向に行くことだけを心がけ、あるいは常に標識に依存するならば、自分自身の道を見つけられないでしょう。最良の方法は、種々の標識を読みとる目を持つことです。
ー『まがったキュウリ 鈴木俊隆の生涯と禅の教え』ディヴィッド・チャドウィック著 浅岡定義訳 藤田一照完訳(サンガ)より
昨日までの考えや生き方が通用しない激動のとき、過酷な状況を生きた先人の人生に触れることは、大きなヒントになります。『まがったキュウリ』はカリフォルニアに渡ってサンフランシスコ禅センターを建てた鈴木俊隆老師の伝記です。老師は、故スティーブジョブズにも大きな影響を与え、サンフランシスコ禅センターのひとつタサハラ禅センターでも修行しました。
写真はタサハラ禅センターにある老師のお墓へ向かう道です。
彼がアメリカに渡って奮闘しながら禅の教えを広めていくその過程も感銘を受けるものですが、私が最も息を飲んだのは敗戦後に満州から命からがら友人の息子を連れて帰国するときのエピソード。