2020年10月2日 19:30
世界がTikTokを恐れる理由 中国当局の“デジタル通貨”構想
意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「TikTok買収」です。
モバイル向け動画のプラットフォーム、TikTokが急成長。ダウンロード数は世界で20億件を超えました。
TikTokの親会社は中国企業のバイトダンス。個人情報が中国政府に流出するのではという懸念から、インドは6月に国内でのTikTokの使用を禁止。トランプ大統領も「安全保障上の理由から、閉鎖されるか売却されるかだ」と述べ、TikTokのアメリカ事業の買収に、マイクロソフトほか数々の企業が興味を示しました。最終的には、オラクルとの提携が決定。
TikTokやWeiboなど、中国のSNSを運営する企業の真の目的は、利用者のスマホのなかに、どれだけ自分たちのビジネスインフラを入れ込めるかということです。利用者のモバイルに入り込み、利用者の情報をコントロールし、嗜好にぴったりのモノを売るインフラを世界に広げていこうとしています。中国は5月に「デジタル人民元」の試験運用を開始。中国当局が発行するデジタル通貨がアプリを介して世界に流通する日も遠くないでしょう。