2020年11月11日 19:00
世界中が愛する傑作誕生の驚くべき裏側…失敗作が大成功を収めた理由
そこで、こちらの方にお話をうかがってきました。
アレクシス・ミシャリク監督
今回、監督・原案・脚本を務めたミシャリク監督。2016年には、本作の舞台版でフランス演劇界最高の賞とされるモリエール賞で5部門を受賞し、高く評価されています。今回は、自らメガホンを取って映画化に挑んだ経緯や自身の経験などについて語っていただきました。
―本作は、監督が15年間温めていたプロジェクトを映画化した作品ということですが、いきさつから教えてください。
監督1998年に制作された映画『恋におちたシェイクスピア』を観たとき、フランス人を主人公に傑作が生まれる様子を描いた物語を作りたいと考え始めたのがきっかけです。この映画はハリウッドで大成功を収めていたことも、いいものになるだろうという確信を僕に与えてくれました。
その後、『シラノ・ド・ベルジュラック』の誕生秘話を知り、作品の具体的なアイディアを思いついたのは20歳の頃。
でも、当時はそんな若造に大きな製作費がかかる作品を任せてくれる人なんていませんでした。
―ちなみに、名作が誕生するまでの裏側を調べるなかで、驚かされたことなどもありましたか?
監督そのときに僕が知ったのは、作者であるエドモン・ロスタンは作品を書いたときは29歳という若さであったこと、『シラノ・ド・ベルジュラック』以前は失敗作ばかりを書いていたこと、そしてこの作品も絶対に失敗すると言われていたのに、実際は大成功を収めたこと、という3つの事実。