2020年11月11日 19:00
世界中が愛する傑作誕生の驚くべき裏側…失敗作が大成功を収めた理由
それをどう発展させるかは、頭を悩まされたところでしたね。
―そこからどのようにして、作品を完成させていったのでしょうか?
監督ある日、フランスで有名なプロデューサーに相談してみたところ「監督はほかの人に任せるけど、まずはきみが脚本を書いてみなさい」と提案されたんです。
ところが、オファーを出した1人目の監督にも、2人目の監督にも、3人目の監督にも「ノー」と言われてしまって(笑)。そこで、長編映画は作ったことがありませんでしたが、自分で監督したほうがいいんじゃないか、と思うに至りました。
欲望のないクリエイションはあり得ない
―とはいえ、すぐに映画の制作に取り掛かれたのでしょうか?
監督いえ、できませんでした。というのも、「この映画のプロジェクトはお金がかかりすぎる」とか「演劇モノの映画は当たらない」とかいろいろと言われてしまって、資金集めは非常に難航しましたから……。
ただ、当時の僕は演劇界では演出家としてある程度知られた存在になっていたので、まずは演劇としてやってみようと。そこで、舞台用に脚色し直して上演したところそれが大成功し、1000回以上公演を行うほどのロングランとなりました。