2021年1月21日 19:00
有名作家が味わった孤独や貧富の差…どん底から抜け出すのに必要なもの
愛や友情といったものがひとつのコミュニティのなかで少しずつ認識されてく様子も、いまのこういう時代だからこそ、より意味を感じた部分でもあります。
縛りやルールがない現場で自由に作ることができた
―この作品には、もともと何か思い入れがあったのでしょうか?
監督主人公が社会のいろいろな状況に身を置かれるなかで、つねに「自分はここにはフィットしていないんじゃないか?」と感じるところは、僕自身にも通じる部分があると思っていました。
なぜなら、僕はイタリア系の移民としてスコットランドで育ち、スコットランド人としてイギリスやアメリカで仕事をしていると、そういう感覚を味わうことが多いからです。そんなふうに、僕にとって少し自伝的な要素があるところも、魅力を感じているポイントかもしれませんね。
―デイヴィッドのキャラクターにも共感する部分はありましたか?
監督僕にも昔から周りにちょっと変わった人たちがいて、彼らをずっと観察していたので、そこもすごく似ているんですよ。他人の癖を吸収して再現する能力のあるデイヴィッドのように、僕も学校で先生の物まねをして周りの人を笑わせたりするカメレオンタイプの人間でしたから(笑)。