2021年1月21日 19:00
有名作家が味わった孤独や貧富の差…どん底から抜け出すのに必要なもの
―この作品は、これまでに6回も映像化されていますが、その名作をご自分が手掛けることに対してのプレッシャーや不安はありませんでしたか?
監督それは特にありませんでした。なぜなら、この作品では、いままでの作品では表現されていない側面について描こうと思っていたからです。たとえばそれは、コメディの部分であったり、心の病についての扱われ方だったり、デイヴィッドが初めてお酒を飲んで酔っ払ってしまうシーンや令嬢のドーラに惹かれるシーンについて。
それらはこれまであまり表現されていない部分ばかりだったので、この作品はオリジナルで新鮮なものにできるだろうという確信がありました。だからこそプレッシャーはありませんでしたし、事前にスタッフやキャストたちと「いままで1本も作られてこなかった題材だと思って語っていこう」と話したほど。それくらいルールや縛りがないなかで自由に作ることができました。
ディケンズから学んだのは、“ショーマンシップの精神”
―監督の作品において魅力といえば、卓越したコメディセンスやウィットに富んだ会話の数々。そういったコメディセンスはどのようにして培われたのでしょうか?
監督そう言ってもらえるのはうれしいけど、僕だけじゃなくて、今回脚本を書いてくれたサイモン・ブラックウェルの力も大きいですね。