くらし情報『“代理母ビジネス”を通して社会の課題がリアルに…『代理母、はじめました』』

2021年4月13日 18:40

“代理母ビジネス”を通して社会の課題がリアルに…『代理母、はじめました』

「世間知らずの少女と、人生経験豊富で教養のある大人の女性を対比させ、女性同士で互いに助け合う思いやりや優しさ、年齢差に関係ない友情などを表現したかったんですよね。『女の敵は女』などという家父長制的価値観にどっぷり浸かった昔ながらの男たちの戦略を、撃退したかったという気持ちもあります」

本作では子どもを欲しがる人々の思惑が絡んでいるため、ジェンダー問題や経済格差など、社会の課題がリアリティをもって迫ってくる。

「若いころから産婦人科医療が置き去りにされていると痛切に感じてきました。がんなどに比べ、妊娠出産、中絶、更年期に伴う様々な体調不良などの研究は進まず、欧米では100年も前から取り入れている処方や薬さえ日本の医療現場では使っていません。後々の世代まで引きずらないよう、すぐにでも解決してほしいという切なる願いを込めています」

作中に〈この国は、考えると虚しくなる「もしも」がいっぱいだ〉とあるが、登場する女性たちのように、女性がいつか政治や組織の決定の場で力を持ち、社会を変えるかもしれない。そんな希望を感じる小説だ。

『代理母、はじめました』家父長制社会の価値観から呪いのように投げかけられてきた言葉への違和感。

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