2021年4月15日 19:40
「坂本龍一さんとの仕事は幸せでした」フランス人女性監督が語る舞台裏
アリス・ウィンクール監督
2015年には、トルコの5人姉妹が経験する青春を描いた『裸足の季節』の脚本で絶賛されたウィンクール監督。脚本と監督を務めた本作では、幼い頃から興味を持っていた宇宙と自身の親子関係を投影した物語を描いています。今回は、作品の背景や働く女性たちに伝えたい思いについて、語っていただきました。
―劇中では、男性主導である宇宙飛行士の世界で生きる女性の難しさを映し出していますが、監督自身もいまなお男性社会と言われる映画業界で女性監督として活動されています。そのなかで経験された思いが反映されている部分もありますか?
監督そうですね。たとえば、劇中で男性飛行士たちがサラに向かってセクハラとも取れるような発言をすることもありますが、現実でもよくあるようなことじゃないかなと。もしかしたら多くの女性たちはそういうことに慣れてしまって、それぐらいでは傷つかなくなっている部分もあるのかなと感じています。それも問題ではありますが、私がもっと危険だと考えているのは、社会が女性に対していろいろな条件付けをすることによって女性が自己規制をしてしまうこと。
たとえば、仕事に就くことで子どもに対して申し訳ないと思ったり、自分を責めたり、あるいは育児かキャリアかのどちらかを選ばなければいけないと決めつけたり。