2021年4月15日 19:40
「坂本龍一さんとの仕事は幸せでした」フランス人女性監督が語る舞台裏
たとえば、ドイツでは子どもを置いて仕事に行く女性のことを“カラスのお母さん”と呼んでいると聞きましたが、そこには早くに子どもを巣から追い出してあまり世話をしないカラスの習性になぞらえて、非難する意味が込められているそうです。女性宇宙飛行士は全体の10%くらいしかいませんが、あくまでもこれもひとつの象徴であって、ほかの職業でも同じような状況がまだまだあると感じています。
―この作品に取り組み始めたとき、「サラのキャラクターならレズビアンしかいない」と言われたこともあったそうですね。制作過程で、そういった社会の偏見を感じることもありましたか?
監督そういうことを感じていたからこそ、映画の最後に女性宇宙飛行士たちの写真をたくさん載せることにしました。それらはいままでの公式写真では出ていないものばかりなので、見たことがない人が多いと思いますが、これが彼女たちの本来の姿なんですよ。
また、劇中では生理に関する話も出てきますが、女性には毎月あって生活の一部なのに、どこか話してはいけない話題のようになっていますよね。でも、そろそろ女性の“普通の生活”を映画でも描いていいのではないかと思って入れました。