2021年6月25日 19:30
妻子持ちの父、差別、孤独…天才彫刻家イサム・ノグチの作品に希望を感じる理由
また、日本にも訪れ、建築家の丹下健三や画家の岡本太郎など、さまざまな芸術家と親交。さらに、岐阜に立ち寄ったとき岐阜提灯と出会い、ノグチの有名な照明器具「あかり」の誕生につながります。
父親との関係は複雑でしたが、父の祖国である日本の文化はノグチの創造に大きな影響を与えていきます。
1951年、女優として活躍していた山口淑子と結婚。日本人でありながら中国人の李香蘭としてデビューし、敗戦時には銃殺刑の危機にさらされるという数奇な人生を歩んでいた山口とノグチの夫婦生活は、世界各地を旅したりフランスに滞在したりと国際色豊かなものでしたが、5年ほどで離婚してしまいます。
晩年は各方面で活躍
晩年は日米を中心に活躍。
日本では、香川県高松市牟礼町にアトリエを構え、地元で代々石屋を営む和泉家の三男、和泉正敏と協働してさまざまな石彫を制作します。
アメリカでは、ニューヨークの公共空間に彫刻が常設展示されたり、各大学から名誉博士号を授与されたりするなどいっそう評価が高まり、1985年にはニューヨークにイサム・ノグチ庭園美術館がオープン。
83歳のときには、レーガン大統領から国民芸術勲章を授与されました。