2021年6月30日 20:00
「日本文化は人生の大きな一部を占めている」英国の新鋭監督が語る理由
実際、日本には何度も行っていますし、大学で書いた論文も「黒澤作品に見られるシェイクスピア劇」みたいな感じで、すべて日本映画に関するものにしていましたから。僕が世界で一番好きな映画監督は、小津安二郎監督。好きな日本映画を選べと言われたら決められないくらいたくさんありますが、小津監督の『麦秋』、『晩春』、『東京物語』をはじめ、是枝裕和監督の『幻の光』、黒澤明監督の作品も全部好きです。そんなふうに、日本の映画からはつねに多くのインスピレーションをもらっています。あとは、写真家の杉本博司さんも僕にとっては、刺激を与えてくれる存在です。
―ありがとうございます。ちなみに、次はどのような作品を考えていらっしゃいますか?
監督ちょうどいま3作目の脚本を書いているところなんですが、もとになっているのは、2017年に徳島の祖谷渓谷に滞在していたときの僕自身の経験。実は、日本を舞台にした作品なんです。
なので、早く日本に戻りたいなと思っています。今回も『スーパーノヴァ』と一緒に来日できなかったことがとても残念です。
―次の来日と次回作の両方を楽しみにお待ちしています。それでは最後に、観客に伝えたい思いを教えていただけますか?
監督主人公たちは胸をえぐられるほどつらい状況に直面していますが、ありのままを描写したいと考えました。