2021年7月2日 19:00
彼女は魔法使いのように人を…ダウン症の女性と注目の監督が紡いだ強い絆
実際、彼女と信頼関係を築いていくとともに、脚本もどんどん変化していきましたから。彼女のご両親ともお会いする機会がありましたが、本当に素晴らしい方々で、僕のことをとても歓迎してくれました。そんな彼らとやりとりをするなかで、セリフが生まれていったように思います。
あと、もともとカロリーナの言葉遣いや語彙がとても特徴的だったので、僕にとってはものすごく想像力を掻き立ててくれる存在でした。だからこそ、言葉に対する彼女の反応を映画に落とし込みたいと考えたのです。―なるほど。また、監督は「異なる人と対峙したときに感じる偏見や恐れから抜け出してほしい」ということも観客に伝えたいそうですが、そういった状況から抜け出すために私たちがすべきこととは?
監督カロリーナには偏見やステレオタイプを突き崩して、消滅させてしまうようなところがあるので、彼女には本来あるべき人間関係を築く力があるのだと思いました。魔法使いのように相手の意識をパッと明るくしてしまう人でもありますが、彼女自身が自分の感情に素直で弱さも認めているので、彼女と対話する人は鎧を脱いで裸にならざるを得ないんですよね。
劇中のダフネにも同じことが言えますが、僕たちは彼女のそういう部分を見習うべきかもしれません。