2021年9月3日 19:30
世界的な父の影で抱えた苦悩…波乱の人生を送った女性活動家の真実と矛盾
監督だからこそ、彼女の物語はいまの若い女性たちにとっても、大きな意味を与えてくれる物語になるだろうという確信があったんです。ただ、あの当時と違うとすれば、「いまの私たちなら乗り越えられる」ということ。つまり、決められた社会の構造から自分の力で抜け出すことが、あのときは無理でも、いまならできるという意味です。
彼女はああいう時代に生きていたため、自ら舞台を降りることになってしまいましたが、いまならひとりでそういう選択をすることなく、みんなと手を取り合って進むことができるのではないでしょうか。何かを変えたり、戦ったりするとき、誰かが与えてくれるのを待つのではなく、自分たちで勝ち取っていかなければならないものですが、いまの私たちにそれができるはずです。それこそがこの映画のなかでも、もっとも大事なメッセージのひとつ。特に、最後の20分で彼女が踊りながら思いを表現する姿に答えがあるので、注目してほしいです。
―ぜひ、観ていただきたいシーンですね。
そして、ラストではエリノアが子ども時代に家族と「好きな美徳は?」「幸せとは?」「不幸とは?」「好きな格言とモットーは?」と質問しながら言葉遊びをしている様子が印象的でした。