2021年9月3日 19:30
世界的な父の影で抱えた苦悩…波乱の人生を送った女性活動家の真実と矛盾
どんな女優にこの役を演じてもらえるかが、大きなポイントだったと思います。
愛とは複雑でコントロールできないもの
―実際、エリノアを演じたロモーラ・ガライさんは素晴らしかったです。
監督私はこれまで彼女が演じてきた作品を観て、彼女ならこういう役でも十分に牽引できると信じていました。エリノアは非常に知的で、自分をコントロールできている女性のように表面的には見えていましたが、実は非常に暗い側面があり、重いエネルギーを持っている女性。
それらを表現するためには、彼女が笑ったり泣いたりする瞬間ひとつひとつをきちんと演じられる女優である必要がありました。なぜなら、細かい動きすべてが“運命的なラスト”へ全部つながっていかなければならなかったからです。
―エリノアは公ではフェミニストとして活動していたにもかかわらず、私生活では男性に苦しめられる生活を送っていたため、彼女は矛盾を抱えて生きていた人物と言えます。彼女がそういった状況に陥ってしまった原因について、どう解釈されましたか?
監督エドワードはクレイジーで自由で、父親とは違う種類の“軽さ”を持って生きていたので、彼女はそういうところに惹きつけられたのだと思います。