2021年9月10日 19:10
“映画好き”こがけん 「オーマイガー!」と感じたおすすめドキュメンタリーとは?
しかし、机上の空論を超えてくる現実に対して、最近は作り手も肩の力を抜いて、自分の立場を明確にせず、“視聴者にも考えてほしい”と答えを決めないまま提示してみたり、エンタメ性の高い作品も増えています。話が想像もしないほうに曲がっていく『イカロス』のような作品も出てくる。良質なドキュメンタリーとは“長時間の記録の中にドラマが浮き出てきたもの”だと思います。そこには明確な答えがあるわけでもないため、見た後にスッキリしないこともあると思うのですが、それはそれで楽しめばいい。最近では、ある議員に17年にわたって密着した『なぜ君は総理大臣になれないのか』も、政治ジャンルに括れないドキュメンタリーとして話題になりました」
また、そんなドキュメンタリーを見る意義は“他者を知ること”だと続ける。
「撮り手として大切にしたいのは、普通に生活している中では見られない人・場所に焦点を当てること。そこには、例えばヤクザのような一般的には理解しがたい、“異端”も含まれます。今は何でもラベルを貼って分類したがるけど、絶対にわかり合えないと思う人にも自分と重なる部分はあると知るだけで、分断された世界が繋がっているものだと示せるのではないでしょうか」