2021年11月16日 20:10
迷走モードな“大人の三角関係”を描く、コミック『ムサシノ輪舞曲』
小さい頃から知っている、ノーマークだった男子(ただしイケメン)から告白されたら……。河内遙さんの『ムサシノ輪舞曲(ロンド)』は、気まずいけれど悪い気はしない、いや、むしろ嬉しいかも!?といったムズムズやソワソワがたまらない作品だ。
「自分よりも若い子の話だと、ある程度の失敗は許せるというか、こういう時期もあったよねと温かい目で見られるじゃないですか。逆に自分の年齢に近いほど、キャラクターの幼稚なところが気になってしまうもの。なのでそういった要素をなるべく排除しながら、恋愛ものとして成り立つ物語にしようと思いました」
武蔵原環(むさしばら・たまき)は35歳。両親と死別し、実家のバレエ教室を引き継いで、子どもたちに教えている。さばさばした性格の彼女に、小さい頃から片想いをしてきたのが、隣に暮らす25歳の阿川龍平。10代のときに二度告白してあっさり振られているのだが、いまだ完全には諦められない様子。
「ふたりは10歳離れていることよりも、姉弟同然であることが難しさになっていると思うんです。環は赤ちゃんだった頃の阿川を抱っこしているし、日常的に家を行き来できるくらい距離が近すぎて、恋愛的なことが始まらない。