2022年8月4日 19:00
『カルテット』『大豆田とわ子』を手がける敏腕Pが明かす、面白いドラマの作り方
彼女は美人でオタク。たぶん結婚する気がなくて、本人はそれでいいのに、周りからは『早く結婚しなよ』とか言われてしまう。すごく生きづらそうだなと思ったんです。そういう話を坂元さんにして、彼女が生きやすくなるような社会になってほしいという思いを伝えたら、それをどう表現できるか考えて、キャラクターに込めてくれました」
確かにかごめは“誰もが恋愛するもの”という考え方の加害性を、浮き彫りにするような存在だったといえる。そんな作風とはガラリと変わるのが、『17才の帝国』。
「もともと“アニメと実写の間のようなSFを作る”というコンセプトがあったので、それまで私が作ってきたドラマらしさみたいなことをあえて外した作品です。17歳の少年・真木が、AIによって実験都市の総理に選ばれるという物語ですが、真木の理念は、このキャラクターならこう考えるだろうという、あくまで劇中での思考実験の結果。そこに作り手の『こんな国になってほしい』みたいなメッセージは込められていませんし、この作品に限らず、登場人物に自分の思いを代弁してほしい、みたいなことは全然ないんです」
万人ではなく実態のある誰か一人に届いてほしい。