映画『零落』で共演 斎藤工×趣里が語る、作品と登場人物の魅力とは
そこに読み手の僕の、内側にある何かが反応し、同期してしまう瞬間があって。だからこの作品には、どうしても人に見せたくない自分が宿ってしまっていて、“好きだけどすごく嫌い”でもあるんです。コンディション次第では向き合いたくない日もあるというか…。
――辛いけど目が離せない、そんな感覚は映画でも感じました。斎藤さん演じる深澤は、虚無感に包まれた毎日の中で趣里さん演じるちふゆと出会い、惹かれていきますが、それぞれの役を演じてみた感想をお願いします。
趣里:ちふゆが実在する人物だとすれば、いにおさんにとって思い入れのあるキャラクターだと思ったので、演じるにあたりプレッシャーはありました。喋り方や言葉に特徴がある女性ですが、それは自分を武装するためなのかな、なんて、想像させられたりもして。
斎藤:趣里さんが初めてちふゆとして現場に現れた時、漫画のキャラに生き写しだと思ったし、ちふゆに会った感じがしました。
完成した作品を観たら、ゆるぎない世界観を表現してくれていて、とても贅沢な気持ちでした。趣里:ありがとうございます。ちふゆを理解するために、いろいろ悩み考えて臨んだのですが、現場に行ったら全部手放せた感じでした。