友情とは? 家族とは? 書店員が選ぶ、人間関係を見つめ直すきっかけを生む6冊
「うちの書店でもコンスタントに売れ続けている本です。時代が変わっても、連帯感の楽しさ、反対に誰ともつながれない寂しさは普遍的な感情で、それだけ、友情に悩むことがあるのだろうなと感じます。著者が長年感じていらしたことが本質的な言葉でまとめられていて、夫婦でも上司と部下のような関係でも、長い時間を経て友情めいたものは生まれてくると言っています。結婚や転職などで自分の環境が変わると、いままでみたいなつき合いができなくなるのもすごく悩みだったりするし、大人だからこそ友達について考え直さないといけない時期があるなと思うんですよね」
家族や恋人や友達など、美化して語られがちなつながりを問い直す。
『人間関係を半分降りる――気楽なつながりの作り方』鶴見 済/¥1,540(筑摩書房)
近すぎる関係性を少し離して、流動的なつながりをたくさん持つ。そのためのノウハウもアドバイス。「平成のミリオンセラー『完全自殺マニュアル』の著者が、この本に込めたのは、人間関係の捉え直しです。著者自身が人生でいちばん悩んだのは人間関係だと書いていて、自身の虐待の記憶やパワハラ体験などを振り返りながら『自分を苦しめるしがらみからは降りても大丈夫ですよ』と提案してくれているんですね。