江口のりこ「今42歳ですけど、19歳で東京に来たときの感覚からずっと変わってない」
そのつもりでした。田舎があんまり好きじゃなくて、義務教育が終わったらすぐ出たいと思っていました。うちはお兄ちゃんも高校に行かずに働いていたので、進学しないということが自分にとって特別なことではなかったですね。
――周りは気にならなかった?
ならなかったです。担任の先生からは何度も説得されましたけど、恥ずかしいことをしてる気持ちも別になかったし、もともと天の邪鬼な性格で、周りに逆らいたくなるところがあるから、みんなと合わせた方がいいのかなみたいな気持ちには全然ならなかったです。
――俳優は、上京するための理由づけみたいなもの?それとも“やっぱり俳優”だった?
やるなら俳優業をやりたいと思っていましたね。でも、どうやったらなれるかわからなかったので、とにかくお金さえ貯まったら、地元から出ていこうと思ってました。
――上京して劇団東京乾電池に研究生として入られるまでは、全然演劇に興味がなかったそうですね。
なかったです。でも、すぐ好きになりました。やってみたらめちゃくちゃ面白いんですよ。研究生って週に2回の授業だったんですけどね、毎回楽しかったです。
――どこが面白かったですか?
うまく言えないけど…いろんな自分に気づくっていうんですか。