西洋人が驚いた! 虫聴、蛍狩…虫をこよなく愛する日本の文化を味わう展覧会
展示風景手前:住吉如慶《きりぎりす絵巻》二巻 江戸時代 17世紀 細見美術館蔵(全期間展示・場面替えがあります)
では、いくつか見どころをピックアップしてご紹介。
まず第一章「虫めづる国にようこそ」では、江戸時代の絵巻や硯箱などを展示。虫をめでる文化は宮廷を中心に発展し、鳴く虫を捕まえて宮中に献上する虫撰(むしえらみ)も行われていました。また、虫の音を楽しむ虫聴(むしきき)や蛍狩(ほたるがり)などの娯楽も宮廷を中心に育まれたそうです。
この章での見どころは、美しい玉虫姫をめぐる虫たちの恋物語を描いた《きりぎりす絵巻》。
宮田さん場面の展示替えがありますが、前期では上巻のクライマックス場面が展示されています。セミの右衛門督(うえもんのかみ)が恋の争いに勝ち、玉虫姫と一夜の逢瀬をしたあと、玉虫姫に後朝(きぬぎぬ)の文を届け、その返歌を玉虫姫がしたためている場面です。擬人化した虫たちが、さまざまに活躍する様子を楽しめます。
夫婦円満のデザインとは?
《梅樹熨斗蝶模様振袖》江戸時代 19世紀女子美術大学美術館蔵(展示期間7/22-8/21)
続く第二章「生活の道具を彩る虫たち」では、酒器や染織品などの身近な道具にデザインされた虫たちに注目。