西洋人が驚いた! 虫聴、蛍狩…虫をこよなく愛する日本の文化を味わう展覧会
町には虫売りが増え、虫聴や蛍狩の名所も登場。そんな虫に親しむ人々の様子を描いた浮世絵などが展示されています。
宮田さん喜多川歌麿の《夏姿美人図》では、足元に蛍籠が描かれています。この女性は、身支度を整えていて、これから夜の蛍狩りに恋人と行くところです。さらに踏み込むと、蛍は「秘めたる恋心」を象徴する虫として古くから和歌に盛り込まれてきたものです。蛍という虫が持つ文化的な側面が絵の中にこめられています。
ユルッとした若冲の大人気作品!
重要文化財伊藤若冲《菜蟲譜》江戸時代寛政2年(1790)頃佐野市立吉澤記念美術館蔵(展示期間:8/9-9/18※場面替えがあります)
次の第五章「展開する江戸時代の草虫図―見つめる、知る、喜び―」では、江戸時代に制作された多彩な虫の絵を展示。伊藤若冲の大人気作品《菜蟲譜(さいちゅうふ)》も、この章で楽しめます。
東京では7年ぶりの公開となる本作品について、宮田さんが見どころを教えてくれました。
宮田さんこの作品には、56種類ほどの虫たちが登場します。9月4日までの前半期間では、葛の葉で遊ぶ虫たちの様子を描いた場面を展示しています。たくさんの虫たちの特徴をしっかりと捉えながらも、生き生きとユーモラスに描かれている点が見どころです。