くらし情報『唯一無二の物語を紡ぎ出す29歳。脚本家、演出家、映画監督・加藤拓也に迫る!』

唯一無二の物語を紡ぎ出す29歳。脚本家、演出家、映画監督・加藤拓也に迫る!

――スター芝居というか、演技の巧さで魅せていくのとは逆の、俳優自身を役に埋没させるテクニックが必要そうですね。

主人公の綿子を演じた門脇麦さんは、匿名性のある俳優だと思います。表情で語られるものがすごくあって、素敵な瞬間がたくさんありました。染谷(将太)くんも黙っているときの情報量がとても多くてすばらしいです。僕はそこが好きすぎて、染谷くんをずっと黙らせて撮ろうと思ったくらいでした。

――人物2人の会話のシーンでは、話す人の顔が交互に映されるのが一般的ですが、片方の表情のみしか見せない場面もありました。

人物の後ろめたさを、横顔の顔のラインで語らせたいなど、言葉以外の部分でよりシンプルに、削ぎ落とせるものは削ぎ落としていきました。今回は、主人公が夫や恋人、干渉してくる義母などに“向き合わなかった”ということがテーマになっているので、人物の“向き”を構図に組み込んでいます。
でも、これは僕の趣味の領域で、誰も気づかないと思います。演出が際立ってしまうと演出ショーになってしまうので、観客には物語に没頭してほしいし、物語が一番前にあるべきと思いながら作っています。

――加藤さんは常々、作品を観ることは、必ずしも物語を解釈することではなく「体験」

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