2023年9月27日 20:00
クレイジーな天才ファッションデザイナーの素顔とは…世界を熱狂させた舞台の裏側に迫る
というのも、キリスト教の司祭をしていた僕の叔父は、川崎に21年間暮らしながら労働者の方々に向けて宣教を行っていた人なんです。70年代当時はまだ組合がなかったそうなので、彼は労働者の人たちをサポートしながら、組合を作る手助けもしたと聞いています。なので、企業側からしてみれば、彼は出る杭のような邪魔な存在だったかもしれませんね…。
その後、叔父は自身の経験をまとめて本に書き、「出すぎた杭」というようなタイトルをつけましたが、彼は日本社会においては、“突き抜けた釘”のような人だったと思います。でも、僕にしてくれた日本の思い出話は、実際に生活していた人だからこそ語れることばかりだったので、それはいまでも僕のなかでも息づいていると感じています。
―それでは最後に、ananweb読者に向けてメッセージをお願いします。
監督彼の作る服というのは、決して産業的なものではありません。だからこそ、それを身につけると誰もが自分を解放し、トランスフォーメーションすることもできるのです。
そして、その姿はまさにアートであり、彼のモードでもあると言えるでしょう。
それだけでなく、現代のスターたちがいまも90年代にゴルチエが作ったものを求めるという現象は、本当にすごいことですよね。