「上京する彼にフラれました…」恋も機会も逃す「残念な女性の習慣」
“わたしだって、しようと思えば上京なんてすぐできる”
そう思っていたのに。
そんなリホにも、転機が訪れた。ほんのちょっといい感じだった同僚の直樹が、転職で東京に行くらしいのだ。
(あっ、これってチャンスや。上京する理由ができる)
そう思ったリホは、直樹を飲みに誘った。駅前の個室居酒屋で、頬杖をついてこぼす。
「いいなあ、東京。ついて行きたいわあ」
直樹はうっすら、リホに好意がありそうだった。
だから、この話をすれば、冗談でも「一緒に来る?」って言ってくれるんじゃないかって期待した。
でも、帰ってきたのは予想外の言葉だった。
「毎回言ってるよね、それ。リホはまじめちゃんだし、ちょっといいなと思ってた時期はあるけど、言うだけでなかなか踏み出さないところはあんま好きじゃない」
グサッ。
こうして、直樹は一人で東京へ行ってしまった。
【三松さんからのコメント】
リホさん、自分一人でなにか決めた経験が少ないんだからこれはしょうがない展開です。
決められたレールの上を歩いて、今までは特に不満もなかった。でも、今は違いますよね。
「いいな、東京」って、明確に憧れをもっている。現状に苛立っている。