「上京する彼にフラれました…」恋も機会も逃す「残念な女性の習慣」
「あ、はい、次そちらに行きます」
連日、役所のおじさんたちにPCのレクチャーを依頼され、リホはだんだん腹が立ってきた。PC周りの仕事を振られるたびにイライラしてしまう。こっちは情シスの人じゃないっつーの!パッとしない毎日。つまらない毎日。
そして、帰り道の車で信号待ちをしている時、ふと思ったのだ。
“わたし、ずっとこんなふうに欠乏感をかかえたまま生きていくのかな”
そしてSNSを眺める時間が増えた。就職を機に上京した子たちが、今になってうらやましくなる。
就職活動の時、キラキラ目を輝かせて「あたし、絶対東京に住む。
丸の内のオフィスで働きたいの」と言っていた同じゼミの奈々。
リホは、内心「アホくさ」と思っていた。
でも、今は違う。八重洲ミッドタウンとか虎ノ門ヒルズとか、おしゃれな場所で、同僚たちと時間を過ごす奈々がうらやましい。週末は表参道の美容院。常連らしく、カリスマ美容師のインスタのストーリーに「いつもありがとうございます」と添えられた彼女の後ろ姿が載っている。なにそれ、なにそれ。そんなモデルみたいな髪型してもあんたには似合わんわ。
都会派アピールしやがって…。つい意地悪な気持ちになる。