くらし情報『“アメリカのZ世代は優しい”って本当? Z世代研究の第一人者による考察』

“アメリカのZ世代は優しい”って本当? Z世代研究の第一人者による考察

Z世代って優しい?「優しさ」をめぐる考察。

アメリカのZ世代は、地球環境や他者に対して「優しい」と語られることも多い。その背景には、このままの社会で生きていても幸せになれないという確信と強い当事者意識を各々が持っていることが関係していると竹田さんは考察する。

「日本では政治参加しない若者が問題視されることがありますが、アメリカでは、マイノリティの立場として社会保障を充実させてほしいとか、自分が生きていくために政治の変革について考える機会が多い。多くの人が何かしらの苦悩を抱えていて、このままではいけないという感覚を持っているんです。他者に対して優しい理由は、互いが抱える苦悩に対して想像力を働かせるようになったからだと思います。いま大変な思いをしているのは、必ずしもその人が怠けていたからではなくて、格差社会をつくってしまう資本主義の仕組みや社会保障制度の問題が引き起こしていることも多い。自己責任論ではなく社会や政治の欠陥を指摘するようになり、みんな大変なんだから他者に対しては寛容でいようというマインドが形成されているように思います」

竹田さんは10代の学生を相手に授業を受け持つこともあり、彼らからは、他者に対する共感性の高さや、人間関係で波風を立てないといった風潮を感じ取ることも多いという。

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