市川染五郎「父とは通じ合うものがある」松本幸四郎と音声ガイドで“親子初共演”
は、時間をかけて隅から隅まで見たいと思っています。自分は何かを表現するという商売をしているので、どうしても作品の表情や色合いなどが気になります。この作品は、現世の人々にお見せしてお伝えするものという思いで描かれていると思うので、そこに表現されている素敵さや、今にも生きている部分をじっくり見てみたいです。
染五郎さん気になる作品は、《仏涅槃群像(ぶつねはんぐんぞう)》です。特に、2メートルを超える寝釈迦(ねしゃか)を見てみたいです。また、《阿弥陀如来立像(あみだにょらいりゅうぞう)》も気になります。この作者は、特定はされていないけど慶派の仏師がつくったと考えられる、と解説にありました。自分は運慶や快慶が好きなので、生でその独特な空気をまとっている仏像を体感してみたいです。
仏涅槃群像(ぶつねはんぐんぞう)江戸時代・17世紀香川・法然寺蔵
――染五郎さんは大の仏像好きと伺っています。どんなところに魅力を感じられますか?
染五郎さんそもそも仏像が好きな理由は、動きやポーズが好きだからです。そしてそれら一個一個に意味があるということなので、その部分に魅力を感じています。
――若い世代や子どもたちは、日本美術など縁遠く感じる傾向にありますが、ご家庭でどのように促されると、染五郎さんのように仏像好きの若者に成長されるのでしょうか。