福士蒼汰、映画『湖の女たち』は「自分の心で演じることを大切にしました」
人間の欲と罪、愛を暴く映画『湖の女たち』。溢れる知性で多くの人を魅了する福士蒼汰さんは今作の主演でどのような新境地に辿り着いたのか。福士さんの学び続ける人生に迫りました。
介護施設での殺人事件を発端にあぶり出される登場人物たちの心の闇と過去。人間の欲や罪深さ、その中にある生の輝きを真っすぐに描いたのが、5月17日公開の映画『湖の女たち』。
主演を務めた福士蒼汰さんの役どころは、事件の捜査にあたった若手刑事、圭介。取り調べを行った佳代と歪んだ性愛関係に陥り、モラルを踏み外していく人物を渾身の演技で体現した。
「演技に対する気負いはありませんでしたが、難解な作品、役柄だったと思っています。
まず初日に、大森(立嗣)監督からのダメ出しを受けまして(笑)。冒頭の圭介が家で着替える場面で、シャツのボタンを留めながら『はぁー』と声を出していたら、『その声いらないからやめて』と。無意識のうちに出ていた声でしたし、なぜNGだったのかも明確には伝えられなかったので悩みましたが、後から考えると、役者が状況をお芝居で説明してしまっているんだなと思って。エンタメ色の強い作品とは違い、今作はリアルな人間の物語なので、演技のボリュームを下げる必要がある。