特別展「禅―心をかたちに―」が東京国立博物館で開催!国宝や重要文化財を多数展示
特定の経典を持たず師の心から弟子の心へと受け継がれてきた禅宗は、心のなかの仏性を見出して、直感的な悟りの境地へ至るという考え方です。理想化された超越的存在としての仏像よりも、歴史上実在した生身の祖師・先師たちの人間味あふれる姿を「かたち」として遺し伝え、茶の湯、漢詩や水墨画を中心とした文芸、建築様式や庭園の造作などにも深く関わりました。
「禅 ―心をかたちに―」では、そんな日本の美意識にも深く根を下ろした禅宗文化を振り返り、様々な角度から紹介されます。
特別展「禅―心をかたちに―」の見どころについて
●戦国武将を支えた禅僧や、武将の茶道具を紹介
織田有楽斎像 古㵎慈稽賛 狩野山楽筆 江戸時代 元和8年(1622)
京都・正伝永源院蔵 通期展示
日々生死を分ける決断を迫られた戦国武将たちの心を鍛え、ブレーンとして活躍したのが禅僧です。快川紹喜(かいせんじょうき)や沢彦宗恩(たくげんそうおん)など、中国の政治思想・歴史・文学に関する学識を活かし陰で戦国武将を支えた禅僧たちに焦点を当てています。肖像画や遺品を中心とした展示です。
また、 今回の展覧会では唐物荘厳の時代から戦国の世を経て、侘茶が浸透するまでの様子をたどります。