「東海道五十三次」全55図を一挙展示!箱根・岡田美術館で開催の特別展が見逃せない!
岡田美術館蔵
今回の展示の目玉は、初公開となる「東海道五十三次」(保永堂版)です。歌川広重(1797~1858)によって手掛けられた浮世絵版画で、53の宿場に日本橋(江戸)と三条大橋(京都)を加えた 55図から構成されています。天保4年から 5 年(1833~34)にかけて出版されたと考えられており、東海道を旅する人々や、その美しい風景を生き生きと表した傑作です。日本橋から三条大橋までの全てが揃って展示される貴重な機会なので、見逃せません。
●保永堂版「東海道五十三次」とは?
歌川広重 「東海道五十三次 蒲原」(夜之雪) 天保4年~5年(1833~34) 岡田美術館蔵
江戸時代、浮世絵は「版元(はんもと)」が企画立てをし、出版することが主流でした。版元とは絵師、摺師、彫師へ仕事を依頼し、全体を統括する、いわゆる、プロデューサーのような役割です。広重は生涯に20種を超える東海道シリーズを制作しました。中でも、この保永堂(竹内孫八)が中心となって出版した「東海道五十三次」は、情趣に富んだ風景描写や、親しみあふれる人物表現などに優れ、高い評価を得ています。
この爆発的な成功がきっかけで、広重は人気浮世絵師の仲間入りを果たしたことから、保永堂版は風景画家・広重の出世作として重要な位置を占めています。