古今東西の珠玉の名品80品が集合!「ボストン美術館の至宝展」が7月20日から開催
●3章 日本美術
ボストン美術館の約10万点に及ぶ日本美術コレクションの形成には、モースやフェノロサ、ビゲローら、日本を愛したコレクターたちが大きく貢献したことで知られています。初めて里帰りを果たす作品も含め、江戸美術の優品が集結します。
●風仙図屏風(曾我蕭白)
曾我蕭白《風仙図屏風》江戸時代、1764年(宝暦14年/明和元年)頃
Fenollosa-Weld Collection, 11.4510Photograph © 2017 Museum of Fine Arts, Boston
勢いよく渦を巻き、強風を呼び起こす黒雲は、まるで龍の存在を示唆するかのようです。荒れ狂う波濤、揺れ動く木々のなか、剣を持つ男が橋を挟んで黒雲に対峙しており、緊張感ある攻防の後方には、風に吹き飛ばされた滑稽な表情の男たちが描かれています。さらに、その後ろには白と黒の兎のつがいがひっそりと姿を見せています。墨の濃淡、線と面、緊張と弛緩、大胆さとユーモアを巧みに織り交ぜた、蕭白の代表的作品です。
●三味線を弾く美人図(喜多川歌麿 )
喜多川歌麿 《三味線を弾く美人図》江戸時代、1804-06年(文化1- 3年)