運慶芸術の真髄を味わう史上最大の展覧会、特別展「運慶」がこの秋開催
平安から鎌倉時代に活躍した日本でもっとも著名な仏師、運慶。その運慶と縁の深い興福寺の中金堂が、およそ300年ぶりに再建されるのを記念した展覧会が、東京国立博物館で開催されます。卓越した造形力が生んだ写実性にあふれる傑作の数々が一堂に会する特別展は、運慶芸術を堪能するまたとない機会です。
天才仏師・運慶の傑作が集結する、史上最大の展覧会
今回の展覧会は、運慶と縁の深い奈良・興福寺の中金堂再建の記念事業として企画されました。これまで門外不出とされてきた仏像も出品される、史上最大の運慶展となります。主な見どころをご紹介します!
●重要文化財・聖観音菩薩立像
この聖観音像が寺から出るのは、今回がはじめて。肉付きのよい体躯と写実的な着衣の表現に、運慶の特徴が見られます。
重要文化財 聖観音菩薩立像 運慶・湛慶作 鎌倉時代・正治3年(1201)頃
愛知・瀧山寺蔵 写真:六田知弘
●父・康慶から息子・湛慶、康弁へ 運慶の作風の誕生と継承
平安時代から鎌倉時代へと時代が変革する中で、運慶はそれまで主流だった仏師・定朝の様式とは異なる新しい表現を生み出しました。
その特徴は、「八大童子立像」に代表される感情まで表現する迫真性。