運慶芸術の真髄を味わう史上最大の展覧会、特別展「運慶」がこの秋開催
特別展では、運慶の作風を色濃く感じさせる康弁と、洗練された作風を持つ快慶の影響を受けた湛慶の像が展示されています。
●重要文化財・十二神将立像
明治時代初頭、それまで安置されていた寺を離れて民間に流出した十二神将は、現在、静嘉堂文庫美術館と東京国立博物館にわかれて収蔵されています。今回の特別展では、42年ぶりに十二神将すべてが揃います。
重要文化財 十二神将立像のうち戌神
鎌倉時代・13世紀 東京国立博物館蔵
●国宝・天燈鬼立像・龍燈鬼立像
運慶の作風を受け継いだ康弁の像は、隆々とした写実的な体躯を持ちながらもユーモラスな雰囲気を漂わせています。
国宝 天燈鬼立像 鎌倉時代・建保3年(1215)
奈良・興福寺蔵 写真:六田知弘
国宝 龍燈鬼立像 康弁作 鎌倉時代・建保3年(1215)
奈良・興福寺蔵 写真:六田知弘
●興福寺中金堂について
和銅3年(710)に創建された奈良の興福寺の歴史は、焼失と再建の繰りかえしでした。治承4年(1180)の南都焼討ち後の復興は、仏教美術のルネサンスともいわれ、清新な造仏活動がおこなわれました。
その代表が、運慶の父・康慶が率いた慶派、いわゆる奈良仏師です。