運慶芸術の真髄を味わう史上最大の展覧会、特別展「運慶」がこの秋開催
運慶が生まれたのは、この像が造られたころでした。
重要文化財 阿弥陀如来坐像および両脇侍立像 運慶作 鎌倉時代・文治5年(1189)
神奈川・浄楽寺蔵 写真:鎌倉国宝館(井上久美子)※10月21日から展示
●国宝・大日如来座像
現存する運慶の作品で、もっとも早い時期に制作されたもの。きれいに梳かれた髪のふくらみなどに、たぐいまれな才能の片鱗が感じられます。
国宝 大日如来坐像 運慶作 平安時代・安元2年(1176)
奈良・円成寺蔵 写真:飛鳥園
●運慶の彫刻――その独創性
大日如来像の造像から10年間で、運慶は独自の作風をつくりあげていきます。写実性に富み、圧倒的な存在感を放ち、精神の深みまで感じさせる運慶の仏像は、「仏が存在するという実感を得たい」という当時の人々の思いに応えたものでした。
●国宝・毘沙門天立像
いまにも動き出しそうな毘沙門天は、北条時政の発願によって造られたもので、このころまでに運慶の作風が確立されたことがわかります。
国宝 毘沙門天立像 運慶作 鎌倉時代・文治2年(1186)
静岡・願成就院蔵 写真:六田知弘
●運慶風の展開――運慶の息子と周辺の仏師
運慶の6人の息子は、いずれも仏師になりました。