運慶芸術の真髄を味わう史上最大の展覧会、特別展「運慶」がこの秋開催
写実性に富み、精神の深みまで感じられる「無著菩薩立像・世親菩薩立像」は、肖像彫刻の最高傑作といわれています。
●国宝・八大童子立像のうち 恵喜童子・清浄比丘童子・烏倶婆童子・恵光童子・制多伽童子・矜羯羅童子
不動明王像に随う八大童子として造られたもので、8体中6体が運慶の手によるもの。画像の制多伽童子は、造像時の彩色もよく残っており、完成度の高さにおいて屈指の作といわれています。今回の特別展では、この像をあらゆる角度から見ることができます。
国宝 八大童子立像のうち制多伽童子 運慶作 鎌倉時代・建久8年(1197)頃
和歌山・金剛峯寺蔵 写真:高野山霊宝館
●国宝・無著菩薩立像・世親菩薩立像
無著・世親は5世紀の北インドに実在した学僧の兄弟。無著の静に対して世親の動と、対照的な容貌が印象的です。
国宝 無著菩薩立像 運慶作 鎌倉時代・建暦2年(1212)頃
奈良・興福寺蔵 写真:六田知弘
国宝 世親菩薩立像 運慶作 鎌倉時代・建暦2年(1212)頃
奈良・興福寺蔵 写真:六田知弘
●博物館でたっぷり味わう運慶 お寺では見られない表情も
国立博物館・平成館というお寺とは異なる大空間での展示によって、いつもとは違う距離感、違う角度でじっくりと鑑賞できるのも、今回の特別展示の魅力のひとつ。