石井氏がドイツに渡ったのは、彼が23歳の時だった。
“サッカーがやりたい”いうシンプルな理由で渡独したという石井氏。
しかしこの時は、インターネットで情報を得ることが容易でなかった時代だ。
「自分も到着して初めてドイツという国を知りました。しかしそれと同様に、ドイツ人も日本人のことをそこまで知らなかった。だから、初めてチームに合流したときは“日本人ってサッカーできるの?”だなんて真顔で言われたりしました」
そんな「未開の地」に降り立ちながらも、彼は『SSV Jahn Regensburg』や『TSV Eching』という複数のドイツのチームで活躍をした。
しかし最初はパスが回ってこなかったり、わざと削られたりすることもあったそうだ。
「それは差別でもなんでもなくドイツ人のプライドからだと思います。
日本人にレギュラーをとられてたまるか、という。
今思うと、そんな風にまっすぐな気持ちで相手も向き合ってくれたからこそ、自分も負けずにやっていこうとより思えたんだと思います。
もちろん凹んだり日本が恋しくなったりすることもありましたよ。