“炊き出し”なんて時代遅れ。ホームレスに「タダで食事を与えない場所」が日本にも必要な理由。
が仲間に残すサインで「良い食事とホスピタリティ」を意味する丸に入ったトリプルエックスが、店の前の歩道に描かれていた。これは現在もロゴとして使用されている。
Photo by Rika Higashi
シスターズ・オブ・ザ・ロードは過去37年間、ほぼ同じ仕組みで運営してきた。自分たちの信じる方法を曲げないために、政府の援助は受けず、地元企業や個人に草の根的に支えられてきた。唯一変わったことといえば、タイムスロット予約制になったことくらいだ。これは、2009年に導入されたのだが、それまでは先着順に食事をする仕組みだったため、いつも店の前には長い列ができていた。毎日500人ほどが列を成し、その待ち時間には、お酒やドラッグを摂取する人もいたり、口論が起きたりもした。それを近隣の人々が迷惑に思うようになっていたのだ。
市は解決しなければ営業を禁止させるという警告を出した。そこで1月ほど店を閉めて協議を重ね、食事時間を予約できるタイムスロット形式を取り入れたのだ。そのため現在は、予約した時間に来れば、ほとんど待つこともなくスムーズに食事ができる。1日に出る食事は250食ほどにまで減ったが、客のストレスも軽減され、店内のムードも良くなったという。