“炊き出し”なんて時代遅れ。ホームレスに「タダで食事を与えない場所」が日本にも必要な理由。
私たちは、番号札を手にテーブルへと向かった。フードスタンプなどが支給されたばかりの月初は空いているというが、この日もスムーズに席を見つけて座ることができた。既に食事をしている人たちの中にもシャノンさんの知り合いは多いようで、個性的な面々からいくつも声がかかる。しばらくするとウエイターが食事を運んできた。食事は配給のような使い捨てのプラスチック皿や紙皿ではなく、白い陶器のお皿に盛り付けられており、食欲をそそる。また、紅茶の方も好きなフレーバーが選べるように複数のティーバッグが準備され運ばれてくる。共に熱々なのも、肌寒い日には特に嬉しい。
Photo by Rika Higashi
スープやサラダ、添えられた玄米はもちろんビスケットに至るまで、当日の朝7時から3時間ほどかけて、スタッフとボランティア、スタンプを得るために労働を希望した人たちにより全て店内で手作りされているという。
ビタミン豊富なスープやサクサクのビスケットは、優しい味で美味しく、サラダも新鮮だ。シャノンさんは「ストリートで暮らす人こそ、体にいい食事を最も必要としているの。彼らにとって、体を壊さないでいることは、生死にかかわる問題。