他に類をみない“フリーランスの映画配給者”。「ワクワクしながら働くこと」を追求し続ける男の野心
そこにいつも感動する。サニーフィルムとして初めて配給した『サファリ』という映画も、ナミビアで行われているトロフィーハンティング(衣食住のためではなく、娯楽として行われる狩り)の話だけど、それって日本からしたら遠い世界の裏側で行われていることの話ですよね。でも、そこの人からしたらそれが世界の中心で、トロフィーハンティングが中心の世界もあるんだなと思う。そういうものに触れて、考えてみると心が動きます
現在、フリーランスで映画の配給を行う有田氏はもともと新卒で入社し、大手音楽レーベルの会社に勤めていた。数年働いたのち、やりたいことが変わってきたと感じた彼は20代後半で旅に出る。安定した仕事を離れて旅に出るという決断に不安はなかったのかと聞くと、「そのときはなかったけれど、帰国したあとはもがいたよ」と言う。
旅から帰ってきたあと特に仕事などないので、旅の資金の残りの50万円を使って神奈川県の海沿いの葉山に引っ越しました。当時唯一持っていたものは横須賀のホームセンターで買ったママチャリだけ(笑)それで逗子駅まで行って、片道900円ぐらい使って東京に来て、いろんな人と打ち合わせして、何か仕事にならないかっていろいろ売り込んでいました。