#003 「物理は一番アーティスティックな学問」。“理系ジュエリーデザイナー”に聞く、想像を創造に変える方法|ノマド・ライター マキが届ける『ナイロビ、クリエイティブ起業家の肖像』
マキ:アメリカで研究員をしていたとは知らなかった。わたしが始めてハジラにあったのは、2015年だけど、そのときは、ハジラはジュエリー制作もやっていたけど、メイクアップアーティストの仕事もしていたよね。ハジラ:生化学研究員の仕事は楽しかったんだけど、実は副業もし始めて。それが、たまたま化粧品の代理販売の仕事で、その仕事を通じて、化粧品のこととかマーケティングのこととかを学んだ。でも、そうこうしているうちに、米国での研究員の仕事がなくなってしまって、ケニアに帰国した。
マキ:それはとても面白い視点だね。今のハジラのジュエリー・デザインに繋がる筋が少し見えた気がする。物理学に想像力が必要という部分をもう少し詳しく教えてもらえるかな。
ハジラ:物理学は、目に見えない力を扱う学問。実際は見えないものや、見たこともないものを可視化して、理解するには、イマジネーションが必要になってくる。結構、「解釈不能」みたいなことも多いから。例えば「ある分子が、ある空間に存在して、ある動きをしている…」みたいな概念を習って、それを想像のなかで、可視化することが求められる。ジュエリー・デザインに置き換えると、どうやって顧客のイメージを形にするかということにとっても非常に重要な要素。