くらし情報『巨匠S・スピルバーグ監督インタビュー 『戦火の馬』に仕掛けた映画の“魔力”』

巨匠S・スピルバーグ監督インタビュー 『戦火の馬』に仕掛けた映画の“魔力”

そんな彼が本作で描きたかったこととは?
「『戦火の馬』は“勇気”について多くを語っているんだ。少年(アルバート)の勇気は、彼自身のためだけでなく親友である愛馬・ジョーイのために、耐えて乗り越えて求めていたことを成し得る。また、本作では驚異的な動物の勇気と不屈の精神も描かれている。この勇気というテーマは、マイケル・モーパーゴの小説にも、舞台版にも、そしてリー・ホールとリチャード・カーティスが書いた(本作の)映画脚本にも一貫して描かれているよ。これが映画『戦火の馬』の1コマ1コマに流れている潜在意識的なテーマだと、僕は思っているんだ」。

本作の大きな見どころとなるのが、雄大な自然を捉えた圧倒的な映像美。SF作品を得意とするスピルバーグ監督だが、本作ではほとんどCG技術を使わず、ありのままの自然の景色をカメラに収めている。その苦労の甲斐あってか、監督の予想を遥かに超える映像が生み出された。

「自然をありのまま描くために、太陽や正しい形をした雲を待ったんだ。僕が映画撮影において、ここまで太陽を待ったのはずいぶん久しぶりだよ(笑)。(『大いなる遺産』で知られる巨匠)デヴィッド・リーン監督は太陽が出てくるまでいくらでも待ったと(撮影監督の)

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