くらし情報『巨匠S・スピルバーグ監督インタビュー 『戦火の馬』に仕掛けた映画の“魔力”』

巨匠S・スピルバーグ監督インタビュー 『戦火の馬』に仕掛けた映画の“魔力”

ヤヌス・カミンスキーは言うんだけど、リーン監督は1本の映画に130日をかける余裕があった。それに対し、僕らは64日間しかない。ただ、自然光を使うべきだというヤヌスの主張を尊重したおかげで、目覚ましい効果を得たと思う。エンディングでは美しい太陽が出てくる。あれは撮影最後の3日間に素晴らしい夕陽に恵まれて、フィルターで強調してはいるけれど、本物の夕焼けをそのまま描いている。アルバートとジョーイにとっての新たな希望や約束の象徴として描いたつもりだよ」。

御歳65。人生の半分以上を映画に捧げ、ハリウッド映画の歴史そのものを象徴するスピルバーグ監督。
本作は先日発表された第84回アカデミー賞にはノミネートされるも、惜しくも受賞ならずとなったが、同賞で快挙を果たしたモノクロ・サイレント映画『アーティスト』然り、マーティン・スコセッシ監督の『ヒューゴの不思議な発明』然り、古き良き時代の映画への“オマージュ”に光が当たっていた。本作で映し出される雄大な景色にもその精神が見て取れるのだが、監督の真意のほどは?
「少なくとも僕自身は意識的にはやっていないよ。この作品を手がけるにあたり、僕が唯一意図したのは、それぞれの土地をキャラクターとして描くことだった。

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