くらし情報『この夏、出会うべきフランソワ・オゾンの究極の主題 女性を描く天才が撮る「妊婦」』

2012年8月8日 22:27

この夏、出会うべきフランソワ・オゾンの究極の主題 女性を描く天才が撮る「妊婦」

お腹が、2人の繋がりの根底にあるんだよ」。

イザベル・カレが演じる女性・ムースは愛する恋人・ルイの子供を宿していることに気づく。だが、それはルイがドラッグの過剰摂取で命を落とした後のことだった。恋人を失い、途方に暮れた彼女は遠く離れた郊外へと逃げ出し、一人きりの生活を始める。だが、そこへルイの弟・ポールが訪れ、いままでに感じたことのない感情が、彼女の中に芽生える――。
「監督にとって、女優が自制心を失う瞬間を捉えるのは、とても心打たれることだよ」と話すオゾン監督だが、イザベルとの共同作業はどんなものだったのか?
「準備期間中は、イザベルは自分自身とムースのキャラクターを簡単に区別できた。でも撮影が始まると、それが難しくなってきたんだ。彼女はセリフを言ったり、場面を演じている自分と、自分自身の妊婦体験とがズレていることに気づいた。
例えば、私生活で彼女はいつもお腹の赤ん坊とコミュニケーションを取り、お腹に触ったり話しかけたりしているのに、撮影中のムースは胎児には全く無関心だし、たまたま妊娠しただけで、赤ん坊のことは主として自分が愛して失った男に繋がるものとしてお腹に置いている。やがて彼女の中で、役と彼女自身の境界が曖昧になってしまい、よく不安定になったよ。

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