2014年8月30日 12:15
【インタビュー】橋本愛 全てを捨て、全てを糧に18歳は歩き続ける
わりと揺れているんです。私自身、小森という場所に立ってみて、最初に夏に行った時は『すごくいいところだ』と思ったけど、だんだん同じ景色に飽きてきたり、いい意味で慣れたり、飽きたりというのがあって、ここを好きになったり、嫌いになったりという安定してない感じが自分の中にありましたね。少し前に『冬・春』を撮り終えたんですが、それと比べて『夏・秋』はフワフワしていたと思います。でも、原作がそもそも掴みどころがなくて、物語はあるけどモノローグばかりで、いい意味で曖昧で、変な、すごくいいバランスを持っていたので、それを映画にも継承できればという気持ちでした。途中で『もう、いち子じゃなくて、“私(=橋本愛)”でいいんじゃないの?』と思うこともあって(笑)、それを試したりしつつも、やはりいち子はいち子だという明確な人物像もどこかでしっかりと持ってました」。
いち子との年齢差に関しては、決して違和感を抱かせないが、橋本さん自身は1年を通じて難しさや葛藤を感じていた。
「すごくありました。この1年で17歳と18歳をまたいだんですが、すごく変わりやすい――単純に顔や外見もそうだし、内面も変わっていく時期に、こういう多少、揺れてはいるけどある程度の軸のぶれのようなものは収まっている年齢の女性を自分が演っていいのか?という不安はありました。