2014年8月30日 12:15
【インタビュー】橋本愛 全てを捨て、全てを糧に18歳は歩き続ける
春夏秋冬の4部作で、まもなく『夏・秋』が封切られ、続いて来春に『冬・春』が公開を迎える。
聞くところによると本作、マスコミ向けの試写会でも女性の鑑賞後の支持率がかなり高いらしい。いち子は一度は都会に出たものの、自分の居場所を見つけられずに田舎へと帰ってきた女性。そんな彼女に共感する気持ちと、自然の中で自給自足の生活を送ることへの憧れがこうした評価に繋がっているのだろう。
淡々と、いち子は食物を育て、収穫し、食していき、カメラはその姿を静かに捉えるが、その姿はドキュメンタリー映像を見ているような錯覚を与える。橋本さんは、1年の撮影期間中、ほかの仕事も同時並行でこなしつつ、季節ごとに幾度となく東京から岩手へと足を運んだ。先に述べたような見る側のこうした生活への“憧れ”もあって「岩手での日々は“撮影”という感じではなく、単に田舎で生活しているという感覚だったのでは?」と尋ねられることも多いそうだが、橋本さんは静かに首を振る。
「むしろ、いわゆる撮影っぽい撮影でした。
岩手に通っていると周りからも『家に帰るような感じ?』とか、『リフレッシュに行くような感覚?』と聞かれることが多かったんですが、いやいや『仕事、仕事!』という意識で、自分の中でもいっぱい、いっぱいな部分が多かったですね」。