2014年9月26日 12:56
【インタビュー】楳図かずお監督×片岡愛之助 異色のタッグが生み出した新たな「恐怖の定義」
愛之助:あふれ出てくるというのは才能でしょうね。ただ、ちゃんと先生は考えてらして、映像表現の中で漫画家である先生の“思い”が表現されているんですよ。気づきましたか?僕が劇中で着ている赤と白のボーダーの幅がシーンごとに変わっているんです。衣裳合わせで何パターンもボーダーを着せられたんで「何でこんなにたくさん?」と思っていたんですが、劇中の楳図が「戦おう!」という気持ちの時は幅が大きくて、弱気の時は幅が狭いんです。それは漫画の世界の表現であって、映像の世界では思いつかないというか、僕らの感覚で言うと、途中で服の柄の幅が変わるってNGでしょ(笑)。それを考えつくのは先生が漫画家だからですよ。
――あの独特の筆使いで楳図さんが生み出した迫力のキャラクターは楳図作品の大きな魅力であるが、実写映画として製作する以上、“絵”という大きな武器を使うことはできない。それでも、完成した映画は漫画とは表現は違えど、紛れもなく“楳図ワールド”全開である。
それは、楳図さんの頭の中に映画作品としての本作の強烈なイメージが思い描かれていたからに他ならない。
楳図:そうですね、最初から(イメージが)出来上がっていたものもあるけど、やりながら気づいたことも多かったです。